クラウゼヴィッツやトゥキュディデスの本などを読みながら国際ニュースを読み解きます。

国際情勢の最近のブログ記事

中東情勢 - 地域的対立へと規模縮小へ(2009/10/10)

【米戦術核、欧州配備の削減検討 NATO外相会合(日経、2010/4/23)】
●ドイツ、ベルギー、イタリアなどに約200発配備されている。
●ドイツ、オランダなどが欧州の戦術核撤去を主張。
●NATO内では、削減・撤去に対し、<b>ドイツが積極的</b>、中東欧が慎重。
(記事の内容ここまで)


『大国政治の悲劇』(五月書房、ジョン・ミアシャイマー著、奥山真司訳)
●506p~510p

 

ドイツは積極的に欧州で力を増大させようと考えているのかもしれない。また、中東欧がロシアとの協議が必要としている中、ドイツがお構いなしに撤去を主張しているため、核兵器の保有も十分検討しているのではないかと思う。

 

これをどう見るべきだろか?

 

日本は今、軍備を拡大させなければならない状況にあります。しかし、インドのように暗黙の了解を得られる立場ではありません。

 

ドイツの軍拡に対処する場合、ロシアのシベリアにおける状況は悪化するはずです。そのため、ドイツは中国と手を握る可能性が高いのではないかと思います。中国は、シベリアを欲しがっているでしょう。

 

日本は、ロシアのこの状況から軍備拡大の了解を取り付けるチャンスを見つけ出さなければなりません。

 

では、どのような順序で考えるべきだろうか?

 

①ドイツの軍拡によってロシアが資源をヨーロッパに振り向けなければならなく状況の初期
→日本はドイツの状況を黙認(or 不快感を示す)、ドイツの中国接近については認めない(批判する)

 

②シベリアの状況が中国優位に推移しそうになるころ
→日本はフランス、ロシア、イギリスの軍備拡大、その他の行動を支持し、ドイツの軍拡を認めない
→日本はこの時期に軍備を拡大させる(当然、準備はその前からしておく必要があります)

 

それにしても・・・

 

『大国政治の悲劇』の「明日の北東アジアの構造と紛争」を読むと、ニクソン大統領時代のキッシンジャーの中国接近を思い起こさずにはいられません。キッシンジャーは、『外交』(ナポレオン3世とビスマルク)で、普墺戦争においてプロイセンを支援したナポレオン3世を批判していました。「力関係の読み間違え」、「個人的な思い入れ」がオーストリアを支援すべきだったのにプロイセンを支援してしまった原因として挙げられています。

 

キッシンジャーは、中国接近の限界をしっかり把握していたのだろうか?あるいは、その後の政権における政策の転換に失敗したということだろうか。いろいろと疑問が湧いてくる。

 

ただ、「言うは易く行なうは難し」。

 

「個人的な思い入れ」から抜け出して、あるべき姿に戻る苦しみは日本人のほうが理解できるはず。心のなかでは分かっているのに、口に出せない状況にあるのですから。

 

いろいろなニュースが出てくると思います。

キルギス政府 マナス米基地の使用を延長(ロシアの声、2010/04/16)

 キルギス暫定政府は16日、同国内のマナス米基地使用に関する合意の延長を伝えた。マナス米基地は、使用期間がさらに1年延長される。

【引用終わり】

 

中央アジアにおけるアメリカの拠点が維持されることになりました。もし、この拠点がしばらく維持される場合、中国内陸部の中国政府の支配力を動揺させる効果があるこの決定は、中国政府の資源を内陸部に向かわせ太平洋における活発な中国海軍の活動に影響を与えることになると思います。

 

韓国が北朝鮮に対処する時、中国に与える影響を極力避けようとしてきたように、現在の日本も中国に刺激を与える行動を手控える傾向にあります。

 

ここで昨日読んだ防衛研究所のメモをご紹介します。これによると韓国の認識は変わってきているようです。

 

防衛研究所ブリーフィング・メモ1月号

クローズアップ2010:米・新核戦略 北朝鮮・イランに照準 攻撃対象変わらず

 

この防衛研究所のメモでは米韓の連携(ミサイル防衛)が対中軍事同盟の色彩を帯びる可能性に言及しています。このような観点から現在の韓国海軍哨戒艦の沈没事件を捉えていくといいのではと思います。事件が起きたのはちょうど中国海軍が沖縄を通過する出来事と同じ頃であり、黄海での勢力図が一気に中国側に傾いたころと同じです。沈没した哨戒艦のニュースを見るとその様子は魚雷で打撃を加えられ真っ二つに割れて沈没する様子と非常に似ています。

 

調査結果がどのようなものであれ、アメリカとの連携を深める選択によって、中国からどのような圧力がかかるのかという心理的圧迫感が非常に高まると言えるでしょう。韓国が中国に近づくことを防止することと竹島のこれ以上の韓国による現状拡大を防ぐことを日本は両立しなければなりません。いわば韓国はそれを見越して現状を拡大させようとしています。

 

私たち日本人はそのような状況の中で、韓国による竹島の調査に対処しなければなりません。

 

日本政府は、政府を構成している人たちの心理的傾向も重要ですが、国際情勢と対外政策との関連で見る場合、韓国に刺激を与えることは、韓国と北朝鮮の心理的一体感を生み出し、ひいては朝鮮半島における中国の影響力を高めることを恐れているものと思われます。

 

しかし現在の日本は何かにどう対処するかよりも、自分自身を見つめ直す時期にあります。国際的な1つの極として将来日本を歩ませたいと思うなら、基本的には自国領土への侵害は許すべきではありません。

 

また、朝鮮半島は大陸側にあり、海に浮かんでいる国から見ると韓国と手を結べないならば沿岸の別の国と手を結ぶという方向で考えた方がいいと思います。また、沿岸の別の国を探すには中国内陸部の動きから中国の分裂につながる要素を探し出し対処するという道を模索するべきだと考えます。

 

3月19日の記事を再度先頭の記事とします。

皆さん、もっとこの出来事をしっかりと周りの人達と話しあうべきだと思います。

「公海上での通行権は認められている」という法律上の話ではないと思います。この行動をした場合、最終的には相手が怒って目的を達成できなくなるという雰囲気をしっかりと作ることが重要だと思います。

●3月19日

「報道ステーション」を見た。フィリピンの元スービック海軍基地の特集だった。多くのフィリピン人は米軍撤退後も中国の脅威などについて心配はないと答えていた。海外ではなく国内の脅威を挙げる住民もいた。南沙諸島が中国に奪われる事態になったことは報道されなかった。

 

ここでは自立することのメリットが協調されていた。これを沖縄にあてはめると、最終的には東シナ海のガス田はすべて中国側に奪われることになってしまうだろう。「自立」という言葉は非常に魅力的だが使われ方によっては全く期待とは違う結果になってしまう。

 

「自立」という意味を何のごまかしのない最もストレートな意味で捉える場合、沖縄における自衛隊の増強が必要だということになるだろう。そして、この場合、本気でこれを「使う」意思をもって運用しなければいけなくなるはずだ。

 

ただ、演技で形だけの戦争が行われた後、明け渡すという可能性もあるかもしれない。 2010年は日中両国の経済力が並ぶ年だ。米国からすると、この段階で日中戦争がおき、その戦争を長引かせることには利益があるだろう。ロシアと米国の核をめぐる対話は米ロの関係改善の要素をはらんでいたが、その効果が、日中の争いを長期化させる方向に働くかもしれない。あるいは、米中は太平洋を2分するという可能性を伝える論者もいる。この場合、西ベルリンのような形で日本の一部が米国の影響力の中に残るか、すべてが中国側に渡るということになるだろう。

 

多くの論者が、「私は核はつくらなくてもよいと思う。平和で世界を引っ張る!」というが、どうも話を先に進めておいて最後の最後でぼかしているような気がする。私は、財政が持たなくなる前、日中両国の経済力が並ぶ今が軍事的な要素だけで見ると核兵器を持つタイミングだと思う。

 

以前は、この中央アジアから中国内陸部の動乱→分離独立の動きが起こることによって、日本側(海側)の圧力を少しでも和らげることが出来るのではないかと思っていた。

 

しかし、当然のことながら新疆ウイグル自治区での暴動鎮圧は徹底的だったし、これからもそうだろう。可能性は追求するべきだが、内陸部ではなく海側に大きく圧力がかかってきたと思う。それは、中国に空母など海軍を拡張する余裕があることなどから読み取れるのではないだろうか。

 

内陸部の動乱→日本側(海側)の圧力緩和ではなく、日本側での動乱→内陸部の動乱という順序のほうが可能性が高まっていると思う。中央アジアに間接的な影響力を与えることが出来るインド洋への海自派遣を終わらせたことは自分の首を絞めることになると思う。

個人的には2005年の「チューリップ革命」からすでに5年が経っている。ホームページ作成を始めたころで、食い入るように毎日ニュースを読んでいた時期だ。もし国際社会がある程度安定しているならこのような巻き返しの動きをたった5年で目撃するようなことはなかっただろう。



様々な記事において、今回のキルギスでの混乱は、2005年のアメリカによる勢力拡大をロシアが押し返したものとして伝えられている。バキエフ大統領は、首都ビシュケクから南部のジャラル・アバドに逃れ、政権が崩壊したと報じられた。



2010年4月7日、メドベージェフ大統領はキルギスの状況を「キルギスの内政問題だ」とし、「キルギスは重要なパートナーであり、事態の推移を注視している」と発言した。その一方で、「政権に対する一般市民の怒りが非常に強かった」とも述べ、バキエフ政権に対する市民の不満をロシアのキルギスに対する不満と重ね合わせた。(キルギスにおける米軍の存在を認めているバキエフ大統領に不満を持っていたとされている)



4月8日、ロシアは自国民、ロシア外交官の保護を名目に空挺部隊をキルギスに派遣した。この時、カザフスタンはロシア部隊の領空通過を認めている。私は、ここで国家のパワーとは自国の行動を他国に追認させる有形・無形の力とも言えるのではないか感じた。



同日、中国外務省の報道官は、「今のところ、中国大使館や中国企業の職員は無事であり、華僑華人に死傷者がでたという報告もない」としたが、翌日9日(つまりロシアのキルギス派兵後)には、中国の政府・共産党の機関紙としての性格を持つ人民日報でキルギスにおける中国人の被害が伝えられた。



日本における「自国民の生命と財産の保護」という表現には、それ以上の何かは何も含まれていないと考えられがちだ。しかし、第2次世界大戦時、ドイツによるチェコ・ズデーテン地方の要求が「ドイツ系住民の安全」を図ることにあったことを考えると、これはもう立派な戦争へ至る重大な表現だと考える必要がある。また、中国の場合は「華僑華人」も「安全と財産の保護」の対象とされているため、外国人参政権を巡る日本国内の議論においても大きな懸念材料だと言える。きれいさっぱりこのアイデアを捨て去り、経済連携協定を結んだ国家との間で職業訓練等のサポートを充実させることができる部分での付き合いに思考を戻すべきだと思う。



中国もまたキルギスを重大な関心をもって眺めている。アメリカがこの地域から去った後は容赦のないロシアと中国による分割・細分化という事態も念頭に置いておく必要がある。カザフスタンは今回ロシア部隊の領空通過を認めたと伝えられているが、深まる経済関係を生かし、中国がカザフに圧力をかける可能性も高まっていくことだろう。(中国は、カザフスタンをロシアから引き離し、中央アジアへの重要な足がかりをロシアから奪おうとするはずだ。)



また、国境を接する新疆ウイグル自治区の独立派がキルギス情勢の混乱と連動しているという事態を中国が重く見ている記事もあった。



ロシアは、将来ほかの成長を遂げている国と比べて潜在的に条件が劣っていることを認識しているものと思われため、中国との中央アジア、シベリアにおける状況は劣勢だと考えていると思う。



新聞で伝えられている通り、キルギス・マナス空港の米軍基地をロシアはよく思っていない。しかし、この地域から米軍が去っていくことも恐れているはずだ。



アフガニスタンへの補給では、アメリカに一定の便宜が図られることになるのではないかと思っている。



これについては注意深く見る必要がある。



まず今回、臨時政府を作ることになる側はもともとは米軍の撤退を求めていたとされている。ロシアの圧力がなければそれは完全な撤退を求める動きとなる可能性もあっただろう。



しかし、ロシアの介入とともに、野党側のオトゥンバエワ氏は国際的な合意を守りながら最終的には国益を重視すると発言したため、トーンダウンしたと考えることはできないだろうか?



米ロの核軍縮をめぐる動き、ロシアのキルギスへの介入に対するアメリカ側の反応の弱さ(もちろん懸念は出されている)などを考慮して以上のように考えてみた。

 

キルギスはアメリカ、ロシア、中国に接した地域である。そして、朝鮮半島、日本もまたアメリカ、ロシア、中国に接した地域だ。中央アジアが置かれている環境のうちのいくつかは、日本にも当てはまるはずである。客観的に自分を眺めるつもりでこの地域に注目していきたい。