クラウゼヴィッツやトゥキュディデスの本などを読みながら国際ニュースを読み解きます。

2009年8月アーカイブ

昨年の食糧価格の暴騰などから日本の食糧事情にも興味がわき、手に取ったのがこの一冊。何かと複雑な事情が非常に明快に書かれている。


その中でも特に興味をひいたのが、コメの先物取引の部分だ。


これまで米価は減反に象徴される供給制限によって高く維持されてきた。そして、その米価には肥料や農薬、農協が受け取る手数料などが上乗せされている。農協を支えるのは多くの零細な農家を含む兼業農家のため、大規模な専業農家ほど冷遇されるという事態に至っているという。


今年6月に農地法が改正されたが、ここでは農地転用が非常に注目されていた。農協の収益は、この農地転用によって得た各農家の預金を飲み込み、それを不動産等に投資するという形で成り立っている。農協は、その収益基盤からみると農業から手を引きつつあるという部分には非常に驚いた。


この様な状況の中、2005年12月9日、東京穀物商品取引所は農林水産省に米の先物取引上場のため、定款変更の認可申請を出したが、2006年4月12日に農水省は不認可の決定を出した。

農林水産省メールマガジン(18/4/14)第186号 )


コメの先物取引が認められると、農家は各自で農産物価格の変動によるリスクをヘッジできるようになる。また、各戸ごとに生産量を決める動きも出始めるだろう。この部分では、安定した生産量という観点から規制が必要になってくるだろう。また、その際の農家に対する所得補償も議題に上ると考えられる。


8月末に行われる選挙でも、農家の所得補償等が争点になっていることから、一度は不認可を受けたコメの先物取引にも再度注目したい。