鵜澤尚高の国際情勢分析

クラウゼヴィッツやトゥキュディデスの本などを読みながら国際ニュースを読み解きます。
 

今日も非常に暑い日でした。午後は、海でボディボード、帰ってきてからはニュースや本を読んで過ごしました。ニュースを読んでいると非常にきな臭い記事が沢山ですね。ご紹介するのは映画ですが、第1次世界大戦に至る緊張をうまく表現しているSF映画があります。時間があったらごらん下さい。とてもポピュラーな映画なので皆さんはもう観ているかもしれませんね。

The League of Extraordinary Gentlemen(IMDb)

 

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中国船、海保の調査船に接近 日本のEEZ内(2010/5/4、朝日)

場所:日本の排他的経済水域内、地理的中間線の日本側40km

出来事:海上保安庁の調査船、昭洋(3千トン)が海底の地殻構造を調査中に、中国政府の調査船、海監51(1700t)に追跡された。

主なやり取り
海監51:「何をしているのか。この海域は中国の規則が適用されるので調査を中止しろ」
昭洋  :「日本の大陸棚であり国際的に正当な調査を実施している」

 

東シナ海ガス田、日中が初の局長級協議(2010/5/4、読売)

【記事の内容ここまで】

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今回は、このガス田を巡る交渉前の軍事的なやり取りに当たると言えるでしょう。このような形での交渉にも関わらず交渉場所が北京というのは良くないと思うのは私だけでしょうか。戦国時代ではないですが、力を背景にした出来事では時代は関係ないように思えます。

 

最近は、英国において地政学を研究している奥山真司さんのブログを頻繁に見ていますが、とても役立つ記事がたくさん紹介されています。幅広い視点から状況を眺めるという点で、ぜひ参考になさってください。

 


ごく簡単にまとめると、

 

  • 中国海軍は、沿岸への近接拒否戦略のみならず外洋への展開能力を高めている。
  • 排他的経済水域に対するアメリカと中国の認識が異なっている。

ということになるでしょうか。

 

ここで排他的経済水域についてまとめておきましょう。

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国連海洋法条約

【第55条】排他的経済水域とは、領海に接続する水域・・・沿岸国の権利及び管轄権・・・その他の国の権利及び自由は、この条約・・・によって規定される。

 

【第56条】
(第1項)沿岸国は、排他的経済水域において、次のものを有する。

  • 天然資源の探査、開発、保存及び管理のための主権的権利
  • 海水、海流及び風からのエネルギーの生産等の経済的な目的で行なわれる探査及び開発のためのその他の活動に関する主権的権利
  • 人工島、施設及び構築物の設置及び利用に関する管轄権
  • 海洋の科学的調査に関する管轄権
  • 海洋環境の保護及び保全に関する管轄権

【第58条】
(第1項)すべての国は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、排他的経済水域において、この条約の関連する規定に定めるところにより、第87条に定める航行及び上空飛行の自由(公海の自由)・・・を享有する。

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つまり、排他的経済水域の「排他的」には、沿岸国・内陸国の航行・上空飛行の自由まで排除できるものとはなっていません。先ほどの、中国とアメリカとの認識の違いは明らかにアメリカの主張の方が条約に則っていそうですが・・・(中国が日本の沖ノ鳥島EEZに異議、中国海軍の活動 [2010/4/13、サーチナ])

 

今回の出来事は、日本の排他的経済水域内で起き、日本の海洋の科学的調査に関する管轄権に対し、中国政府の調査船、「海監51」が調査の中止を求めてきたというものです。

 

地図を見ると分かりやすいので、海上保安庁の「日本の領海等概念図」で見てましょう。

 

a0005366_2338756.gif日中中間線の日本側での活動について、中国側が「中国の規則が適用される」と主張したので、中国はこの中間線を明確に否定したということになるでしょう。

 

以前、「中国艦船の演習について」(2010/4/14)という記事で東南アジア諸国と中国の海洋を巡る争いを書いたので是非お読みください。

 

民主党政権は、駐留米軍に対する対処を完全に間違ったといえるでしょう。その間違いは、日本の主権を危険にさらしています。第2に、対処を誤らなかったとしても日本は厳しい状況に立ちます。私たちが望むような毅然とした政治家が事に当たったとしても非常に長期にわたって厳しいにらみ合いが続くでしょう。

 

ペリクレスの以下の演説は、駆け引きにおける1つの理想的な形態といえるのではないかと思います。

 

些細な問題こそ、諸君の決意を確証し試験する一切のものなのである。もしも諸君が彼らに譲歩すれば、この件で諸君は恐怖に駆られて屈服したのだと彼らは考え、直ちに別の更に大きい要求を諸君に突きつけてくるであろう。しかし諸君が断固として拒否すれば、むしろ対等の立場で諸君と交渉すべきであることを、彼らに明確に示してやることになろう。」(トゥキュディデス『歴史』、一巻140 ペリクレスの演説)

 

しかし、私たちは自国をアテナイのように捉えてはいけません。ラケダイモンとアテナイに挟まれた非常に裕福な島のひとつとみなす必要があります。同盟国の切り換えは、アメリカとの関係で非常に高くつく代償を払うことになります。同盟を切り替えることなく、自国の防衛努力を高めるバランス感覚が必要です。(ただし、アメリカはアテナイほどの決断力と熱意がある国家ではないと思いますが・・・)

 

普段、普通に過ごしている人たちも憲法改正と軍備拡張の必要性を考え始めたのではないかと思います。皆さんが(特に私に当てはまりますが・・・)、それぞれの人間関係の中で信頼を失わずにこの問題について話し合い、問題意識を共有できるようになれるよう願います。

中東情勢 - 地域的対立へと規模縮小へ(2009/10/10)

【米戦術核、欧州配備の削減検討 NATO外相会合(日経、2010/4/23)】
●ドイツ、ベルギー、イタリアなどに約200発配備されている。
●ドイツ、オランダなどが欧州の戦術核撤去を主張。
●NATO内では、削減・撤去に対し、<b>ドイツが積極的</b>、中東欧が慎重。
(記事の内容ここまで)


『大国政治の悲劇』(五月書房、ジョン・ミアシャイマー著、奥山真司訳)
●506p~510p

 

ドイツは積極的に欧州で力を増大させようと考えているのかもしれない。また、中東欧がロシアとの協議が必要としている中、ドイツがお構いなしに撤去を主張しているため、核兵器の保有も十分検討しているのではないかと思う。

 

これをどう見るべきだろか?

 

日本は今、軍備を拡大させなければならない状況にあります。しかし、インドのように暗黙の了解を得られる立場ではありません。

 

ドイツの軍拡に対処する場合、ロシアのシベリアにおける状況は悪化するはずです。そのため、ドイツは中国と手を握る可能性が高いのではないかと思います。中国は、シベリアを欲しがっているでしょう。

 

日本は、ロシアのこの状況から軍備拡大の了解を取り付けるチャンスを見つけ出さなければなりません。

 

では、どのような順序で考えるべきだろうか?

 

①ドイツの軍拡によってロシアが資源をヨーロッパに振り向けなければならなく状況の初期
→日本はドイツの状況を黙認(or 不快感を示す)、ドイツの中国接近については認めない(批判する)

 

②シベリアの状況が中国優位に推移しそうになるころ
→日本はフランス、ロシア、イギリスの軍備拡大、その他の行動を支持し、ドイツの軍拡を認めない
→日本はこの時期に軍備を拡大させる(当然、準備はその前からしておく必要があります)

 

それにしても・・・

 

『大国政治の悲劇』の「明日の北東アジアの構造と紛争」を読むと、ニクソン大統領時代のキッシンジャーの中国接近を思い起こさずにはいられません。キッシンジャーは、『外交』(ナポレオン3世とビスマルク)で、普墺戦争においてプロイセンを支援したナポレオン3世を批判していました。「力関係の読み間違え」、「個人的な思い入れ」がオーストリアを支援すべきだったのにプロイセンを支援してしまった原因として挙げられています。

 

キッシンジャーは、中国接近の限界をしっかり把握していたのだろうか?あるいは、その後の政権における政策の転換に失敗したということだろうか。いろいろと疑問が湧いてくる。

 

ただ、「言うは易く行なうは難し」。

 

「個人的な思い入れ」から抜け出して、あるべき姿に戻る苦しみは日本人のほうが理解できるはず。心のなかでは分かっているのに、口に出せない状況にあるのですから。

 

いろいろなニュースが出てくると思います。

キルギス政府 マナス米基地の使用を延長(ロシアの声、2010/04/16)

 キルギス暫定政府は16日、同国内のマナス米基地使用に関する合意の延長を伝えた。マナス米基地は、使用期間がさらに1年延長される。

【引用終わり】

 

中央アジアにおけるアメリカの拠点が維持されることになりました。もし、この拠点がしばらく維持される場合、中国内陸部の中国政府の支配力を動揺させる効果があるこの決定は、中国政府の資源を内陸部に向かわせ太平洋における活発な中国海軍の活動に影響を与えることになると思います。

 

韓国が北朝鮮に対処する時、中国に与える影響を極力避けようとしてきたように、現在の日本も中国に刺激を与える行動を手控える傾向にあります。

 

ここで昨日読んだ防衛研究所のメモをご紹介します。これによると韓国の認識は変わってきているようです。

 

防衛研究所ブリーフィング・メモ1月号

クローズアップ2010:米・新核戦略 北朝鮮・イランに照準 攻撃対象変わらず

 

この防衛研究所のメモでは米韓の連携(ミサイル防衛)が対中軍事同盟の色彩を帯びる可能性に言及しています。このような観点から現在の韓国海軍哨戒艦の沈没事件を捉えていくといいのではと思います。事件が起きたのはちょうど中国海軍が沖縄を通過する出来事と同じ頃であり、黄海での勢力図が一気に中国側に傾いたころと同じです。沈没した哨戒艦のニュースを見るとその様子は魚雷で打撃を加えられ真っ二つに割れて沈没する様子と非常に似ています。

 

調査結果がどのようなものであれ、アメリカとの連携を深める選択によって、中国からどのような圧力がかかるのかという心理的圧迫感が非常に高まると言えるでしょう。韓国が中国に近づくことを防止することと竹島のこれ以上の韓国による現状拡大を防ぐことを日本は両立しなければなりません。いわば韓国はそれを見越して現状を拡大させようとしています。

 

私たち日本人はそのような状況の中で、韓国による竹島の調査に対処しなければなりません。

 

日本政府は、政府を構成している人たちの心理的傾向も重要ですが、国際情勢と対外政策との関連で見る場合、韓国に刺激を与えることは、韓国と北朝鮮の心理的一体感を生み出し、ひいては朝鮮半島における中国の影響力を高めることを恐れているものと思われます。

 

しかし現在の日本は何かにどう対処するかよりも、自分自身を見つめ直す時期にあります。国際的な1つの極として将来日本を歩ませたいと思うなら、基本的には自国領土への侵害は許すべきではありません。

 

また、朝鮮半島は大陸側にあり、海に浮かんでいる国から見ると韓国と手を結べないならば沿岸の別の国と手を結ぶという方向で考えた方がいいと思います。また、沿岸の別の国を探すには中国内陸部の動きから中国の分裂につながる要素を探し出し対処するという道を模索するべきだと考えます。

 

3月19日の記事を再度先頭の記事とします。

皆さん、もっとこの出来事をしっかりと周りの人達と話しあうべきだと思います。

「公海上での通行権は認められている」という法律上の話ではないと思います。この行動をした場合、最終的には相手が怒って目的を達成できなくなるという雰囲気をしっかりと作ることが重要だと思います。

●3月19日

「報道ステーション」を見た。フィリピンの元スービック海軍基地の特集だった。多くのフィリピン人は米軍撤退後も中国の脅威などについて心配はないと答えていた。海外ではなく国内の脅威を挙げる住民もいた。南沙諸島が中国に奪われる事態になったことは報道されなかった。

 

ここでは自立することのメリットが協調されていた。これを沖縄にあてはめると、最終的には東シナ海のガス田はすべて中国側に奪われることになってしまうだろう。「自立」という言葉は非常に魅力的だが使われ方によっては全く期待とは違う結果になってしまう。

 

「自立」という意味を何のごまかしのない最もストレートな意味で捉える場合、沖縄における自衛隊の増強が必要だということになるだろう。そして、この場合、本気でこれを「使う」意思をもって運用しなければいけなくなるはずだ。

 

ただ、演技で形だけの戦争が行われた後、明け渡すという可能性もあるかもしれない。 2010年は日中両国の経済力が並ぶ年だ。米国からすると、この段階で日中戦争がおき、その戦争を長引かせることには利益があるだろう。ロシアと米国の核をめぐる対話は米ロの関係改善の要素をはらんでいたが、その効果が、日中の争いを長期化させる方向に働くかもしれない。あるいは、米中は太平洋を2分するという可能性を伝える論者もいる。この場合、西ベルリンのような形で日本の一部が米国の影響力の中に残るか、すべてが中国側に渡るということになるだろう。

 

多くの論者が、「私は核はつくらなくてもよいと思う。平和で世界を引っ張る!」というが、どうも話を先に進めておいて最後の最後でぼかしているような気がする。私は、財政が持たなくなる前、日中両国の経済力が並ぶ今が軍事的な要素だけで見ると核兵器を持つタイミングだと思う。

 

以前は、この中央アジアから中国内陸部の動乱→分離独立の動きが起こることによって、日本側(海側)の圧力を少しでも和らげることが出来るのではないかと思っていた。

 

しかし、当然のことながら新疆ウイグル自治区での暴動鎮圧は徹底的だったし、これからもそうだろう。可能性は追求するべきだが、内陸部ではなく海側に大きく圧力がかかってきたと思う。それは、中国に空母など海軍を拡張する余裕があることなどから読み取れるのではないだろうか。

 

内陸部の動乱→日本側(海側)の圧力緩和ではなく、日本側での動乱→内陸部の動乱という順序のほうが可能性が高まっていると思う。中央アジアに間接的な影響力を与えることが出来るインド洋への海自派遣を終わらせたことは自分の首を絞めることになると思う。

個人的には2005年の「チューリップ革命」からすでに5年が経っている。ホームページ作成を始めたころで、食い入るように毎日ニュースを読んでいた時期だ。もし国際社会がある程度安定しているならこのような巻き返しの動きをたった5年で目撃するようなことはなかっただろう。



様々な記事において、今回のキルギスでの混乱は、2005年のアメリカによる勢力拡大をロシアが押し返したものとして伝えられている。バキエフ大統領は、首都ビシュケクから南部のジャラル・アバドに逃れ、政権が崩壊したと報じられた。



2010年4月7日、メドベージェフ大統領はキルギスの状況を「キルギスの内政問題だ」とし、「キルギスは重要なパートナーであり、事態の推移を注視している」と発言した。その一方で、「政権に対する一般市民の怒りが非常に強かった」とも述べ、バキエフ政権に対する市民の不満をロシアのキルギスに対する不満と重ね合わせた。(キルギスにおける米軍の存在を認めているバキエフ大統領に不満を持っていたとされている)



4月8日、ロシアは自国民、ロシア外交官の保護を名目に空挺部隊をキルギスに派遣した。この時、カザフスタンはロシア部隊の領空通過を認めている。私は、ここで国家のパワーとは自国の行動を他国に追認させる有形・無形の力とも言えるのではないか感じた。



同日、中国外務省の報道官は、「今のところ、中国大使館や中国企業の職員は無事であり、華僑華人に死傷者がでたという報告もない」としたが、翌日9日(つまりロシアのキルギス派兵後)には、中国の政府・共産党の機関紙としての性格を持つ人民日報でキルギスにおける中国人の被害が伝えられた。



日本における「自国民の生命と財産の保護」という表現には、それ以上の何かは何も含まれていないと考えられがちだ。しかし、第2次世界大戦時、ドイツによるチェコ・ズデーテン地方の要求が「ドイツ系住民の安全」を図ることにあったことを考えると、これはもう立派な戦争へ至る重大な表現だと考える必要がある。また、中国の場合は「華僑華人」も「安全と財産の保護」の対象とされているため、外国人参政権を巡る日本国内の議論においても大きな懸念材料だと言える。きれいさっぱりこのアイデアを捨て去り、経済連携協定を結んだ国家との間で職業訓練等のサポートを充実させることができる部分での付き合いに思考を戻すべきだと思う。



中国もまたキルギスを重大な関心をもって眺めている。アメリカがこの地域から去った後は容赦のないロシアと中国による分割・細分化という事態も念頭に置いておく必要がある。カザフスタンは今回ロシア部隊の領空通過を認めたと伝えられているが、深まる経済関係を生かし、中国がカザフに圧力をかける可能性も高まっていくことだろう。(中国は、カザフスタンをロシアから引き離し、中央アジアへの重要な足がかりをロシアから奪おうとするはずだ。)



また、国境を接する新疆ウイグル自治区の独立派がキルギス情勢の混乱と連動しているという事態を中国が重く見ている記事もあった。



ロシアは、将来ほかの成長を遂げている国と比べて潜在的に条件が劣っていることを認識しているものと思われため、中国との中央アジア、シベリアにおける状況は劣勢だと考えていると思う。



新聞で伝えられている通り、キルギス・マナス空港の米軍基地をロシアはよく思っていない。しかし、この地域から米軍が去っていくことも恐れているはずだ。



アフガニスタンへの補給では、アメリカに一定の便宜が図られることになるのではないかと思っている。



これについては注意深く見る必要がある。



まず今回、臨時政府を作ることになる側はもともとは米軍の撤退を求めていたとされている。ロシアの圧力がなければそれは完全な撤退を求める動きとなる可能性もあっただろう。



しかし、ロシアの介入とともに、野党側のオトゥンバエワ氏は国際的な合意を守りながら最終的には国益を重視すると発言したため、トーンダウンしたと考えることはできないだろうか?



米ロの核軍縮をめぐる動き、ロシアのキルギスへの介入に対するアメリカ側の反応の弱さ(もちろん懸念は出されている)などを考慮して以上のように考えてみた。

 

キルギスはアメリカ、ロシア、中国に接した地域である。そして、朝鮮半島、日本もまたアメリカ、ロシア、中国に接した地域だ。中央アジアが置かれている環境のうちのいくつかは、日本にも当てはまるはずである。客観的に自分を眺めるつもりでこの地域に注目していきたい。

「2年以上に及ぶ深刻な景気収縮の後だというのに、公定歩合すなわち連邦準備銀行から市中銀行に貸し出す際の金利を引き上げたのである・・・通貨供給量の減少は、必ず深刻な不況を生み出している。」(『資本主義と自由』、ミルトン・フリードマン)

 

今回は、

米英と欧州の金融セクターにリスク、アジアは力強い=豪中銀高官 (ロイター、2010/2/16)

「過剰な」差し押さえ、今年の米住宅価格の下落要因に-S&P   (ブルーム・バーグ、2010/2/16)

の記事に注目しました。

 

公定歩合の重要性は、1930年代のころより確実に低下しているものの、記事にあるように

  • 商業用不動産向け融資の多い中小金融機関の経営悪化
  1. →中小企業向けの与信減少→国民の心理悪化
  2. →差し押さえの増加→住宅価格の下落→不良債権の増加

というリスクについて注目していこうと思います。

 

上記のミルトン・フリードマンの文章の前は、イギリスの金本位制離脱が原因で金流出を防ぐために公定歩合が引き上げられたという流れになっています。つまり、国家の衰退・興隆と大恐慌が発生した要因とが密接に結びついているわけです。

 

現在、米中の関係が微妙になってきています。また、日本の政府債務残高が非常に悪化してきていることが米国債の消化に影響を与えるというような形で状況が悪い方向にいく可能性もあるでしょう。

 

上記のような見方でニュースを見ていくのも有益かもしれませんね。

随分と粗い内容ですが、少しずつ内容を充実させていきたいと思っています。

今ある富を食いつぶすのではなく、富自体を増やす可能性を追求すること。

①の背景を持った人たちの拡大を促し、かつ、その富の分配を適切に行えるようにすること。

強大国に挟まれる状況になるため、バランスの取れた関係を築くこと。

  • これら大国との交渉において、国内の支持が高い場合でもトップが足元をさらわれ屈服する可能性が高いと考えられるため、それを防ぐ措置を制度として作ること。
  • ただし、交渉の前段階として、国家の尊厳・主権に対し曖昧な態度を取る政治家の退場を促す必要がある。これは結局は私たち国民一般の精神的雰囲気から湧き上がってくる人々なので長期的な課題だ。

人口問題

  • 参政権は日本国籍所有者に限定すること。
  • 国籍取得を現在よりは緩和すること。
  • 国籍取得時の宣誓条件に違反した場合は国籍を剥奪することを明記すること。
  • 宣誓時の条件に、「国益に反する行為はしない」、「出身国と交戦状態に入った場合でも積極的な貢献を行うこと」を明記すること。
  • 国籍取得条件の緩和を人口問題を解決するための手段としては利用しない。

エネルギー・食料問題

  • 陸軍国の勢力が強くなっていくため、これからは海の分割が激しくなっていくことが予想されます。そのため海洋の自由を保全する勢力との同盟を選択し、輸入路の安全を図る必要があります。
  • 農地保全、食生活の変化を促す必要があります。
  • 農業に関しては①の観点も重要だが、主に②の適切な分配の観点から見ていく必要がある。

敗戦処理(に対する基本的な認識)

  •  敗戦の影響は、敗戦直後より冷戦終結後の経済的衰退、実戦経験者の引退に伴ない現在の方がより危険だ。

 

国籍を取得しないまま、国政参政権を与えるというのは非常に問題だと思う。

 

 「日本人」と「日本国籍所有者」とに分けて考えるなら、日本国籍所有者には民族的に日本人である国籍所有者と「~系日本人」という形に分けることができるだろう。しかし、映像の内容では、国籍所有者以外にも国政参政権を与えるという内容になってしまっている。つまり、現在議論されている地方参政権を与えるかどうかは国政参政権を与える前段階ということになる。

 

これにはいろいろと問題がありそうだ。国籍を取得しないまま国政参政権を与えてしまうとその瞬間に、日本は新しく国政参政権を取得した一番大きなグループが所属する国の「地方」になってしまうからだ。

 

物事というのは、今日ある姿が明日の姿を指し示しているものだ。現在議論されている外国人に地方参政権を与える法案が将来どのような形になるかを示した映像だと思う。

 

このような形ではなくても、外国人といい関係を築くことが出来ると思う。本気で話しかければ、彼らが本気で応えるか、本心を隠しているか分かってくるものだ。「与える」、「従属する」のではなく、「関係を築く」という非常にバランスが必要となる自分のあり方に長い時間をかけて慣れていくべきだろう。

 

今回の法案では、与えれば失う関係となる。反対だ。

libor.jpg

1990年代初頭より長らく米国の方が高かったLIBOR(London inter-Bank Offered Rate)が大きな節目を迎えています。


LIBORは、ロンドン銀行間出し手金利と訳され、資金の出し手が借り手に提示するものです。一般的にLIBORの市場参加者数は非常に多く、歴史も古いため短期資金の調達コストの指標として国際的に信用されています。


まずは2009年8月24日に3か月物、9月7日に4カ月物、10月29日に5か月物が逆転し6か月物も時間の問題かと考えられていました。


では11月後半の流れを見てみましょう。


11月16日、バーナンキFRB議長は、米経済は「なお重大な試練に直面している」と発言し、低金利の長期化を示唆。


11月17日、6か月物の日米逆転。


11月19日、経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長が「日銀は強い姿勢でデフレと戦うべきだ」と発言。


11月20日、政府のデフレ宣言。


12月1日、日銀追加緩和策発表。(グラフ青のライン、つまり日本3か月物の金利が急に下落しているのが観察できます。)


6か月物の金利は、グラフでは緑(米国)、紫(日本)で表示されています。グラフでは11月16日の軸付近で逆転が起こりました。米国は、金融危機後の膨大な資金供給を受け、金利が非常に低くなっています。危機後の対策として銀行間の金利を低くすることがFRBの目標となっていたところから、現在のLIBORの流れは続くのではないかと考えられます。


USDJPY.gif

次にチャートを見ていきましょう。6か月物のLIBORで日米が逆転した11月17日周辺から急激に円高が進み、12月1日の日銀の追加緩和策発表周辺からドルが買い戻されている様子がうかがえます。


本日、バーナンキFRB議長が講演会を開くことから、大幅に改善した雇用統計を受け、出口戦略を予想より早く模索し利上げも予想より早いのではないかという見方が急速に広まりました。


しかし、消費者物価、卸売物価は前月比ではプラスになりつつあるものの、前年比ではまだマイナスが続いており、もうしばらく金融緩和を続けるのではないかと考えられます。


世界恐慌の発生を防ぐという観点から、ドルを大量に市場に供給してきた議長は、引き締めるべきときとそうではないときの判断を慎重に行うのではないかと予測され、ここから考えれば、今は引き締めを行い市場の熱を再び冷ますようなことはないのではないかというのが、私の予測です。


最後に、次の式を見ておきましょう。


実質金利=名目金利-期待インフレ率


現在日米ともにデフレ傾向にあり、名目金利よりも実質金利の方が高くなっています。つまり、期待インフレ率を引き上げ、実質金利をより低く引き下げられるほうが、景気対策上好ましいという状況です。


ここからも、しばらく金融緩和が続き、マネーの供給を急激には絞らないだろうという予測のほうが理にかなっているのではないかと考えています。


11月20日、政府は11月・月例経済報告にて「デフレ」の文言を再び使用し、「物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。」とデフレ宣言を行いました。


現在の日本は、消費者物価はまだ7か月連続の下落に留まっているものの、名目成長率と実質成長率の逆転が2四半期連続で発生していること、4~6月期の需給ギャップが40兆円もの大幅な供給超過に陥っていることなどが今回のデフレ宣言につながったと考えられています。しかし、国際通貨基金(IMF)の定義によれば、デフレとは消費者物価を念頭に「2年程度下落が続く状態」と考えられているため、日銀は政府のデフレ宣言を早急だと受け止め懐疑的に受け取っています。


日銀は、消費者物価については年明けまで様子を見た方がいいというスタンスであり、雇用に関しては指標を見る限り上向きという流れとなっています。また、内閣府「今週の指標」では、2009年7-9月期の需給ギャップは-6.7%、2009年4-6月期は-7.5%だったため改善したという判断が示されています。


この中、ユニクロ、ニトリなど価格競争にて優位を保っている企業が批判にさらされ、各シンクタンクの分析では需給ギャップの解消方法を主に政府の支出に期待する向きが強まっています。


私は、経済の状況が厳しいにしても、今回のデフレ宣言は早すぎたのではないかと思います。デフレの判断には政治的なことがらをなるべく排除して判断する必要があるにもかかわらず、今回は経済対策を打つ必要性から盛り込まれた要素も非常に強いと考えられるからです。


そもそも20日のデフレ宣言は、日銀の政策金利が発表される20日前日の経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長の「日銀は強い姿勢でデフレと戦うべきだ」という発言と呼応しているように見えます。そこでは、超低金利政策の継続と日銀に対する国債買い取りの増額が提案されていました。経済対策を打つ必要性を後押しする提案だったため急遽、デフレ宣言が発せられた可能性も考慮するべきでしょう。


政府と日銀の応酬を注意深く見守ると同時に、経済の基本的な環境を掴む努力(人口減少)、長期的に持続可能な経済(国債増発に対する懸念)、台頭著しい新興国の為替(特に中国・人民元)の問題等をより明示的に話し合えるようにすることが必要だと感じています。