第3章 戦争の内的連関の最近のブログ記事

●1編1章11・25、6・8参照、軍事行動の停止に関する部分

この章では、作戦計画を立てる当たって、あらかじめ大まかな戦争の様子を正確に把握することが大切だと書かれています。


 第1編1章27においても、似たようなことが書かれています。(国際関係とは? - 3月10日


 そして、戦争の激しさの度合いにおいて2つの対照的な事態を念頭に置いています。注意点は、この2つはどちらも「現実の戦争」だということです。(1章1編-「現実の戦争」の2つの方向性


①絶対的戦争に近い場合
②絶対的戦争からは程遠い場合


 クラウゼヴィッツは、①の戦争をナポレオンが行った戦争を例に話しています。そして、②の戦争をフリードリッヒ大王が行った戦争を参考にしています。


 これらを参考にして、「どんな戦争になるのか」という見通しを考える際の視点として、「どんな結果になるのか」という部分を重視して論を進めます。そして、①・②ではちょっと戦争についての見方が違ってきます。


①絶対的戦争に近いと見積もった場合、「戦争の結果」をどうみるのか?

 絶対的戦争に近い場合、すべての軍事行動の目標は「敵の戦闘力を完全に破壊すること」に向かい、それを達成するために使われる手段はほぼ戦闘だけになってくるとクラウゼヴィッツは言います。1つ1つの戦闘の価値は、この「敵の戦闘力を完全に破壊する」という部分との関連でしか評価されません。途中の経過は意味がない結果がすべてだということになります。双方がこの目標を持っている場合です。


 絶対的戦争にはならないだろうと思って戦争を始めたところ、相手は本気で自国の戦闘力の壊滅を狙っていた場合は大変なことになります。幼い子供が、飛んできた蜂を純粋な気持ちで、「何だろう?」と思って触ってみたところ刺されて大変な目にあった・・・これがスズメバチだったらどうなったことか・・・なんていうたとえがぴったりかもしれません。


 クラウゼヴィッツは、先ほどのたとえ話で言うと子供の立場から物事を考えています。スズメバチからではありません。その例として、1805年のプロイセンとフランス、1806・1809年のオーストリアとフランス(どちらもナポレオンとの戦争)を例に話しています。


 さて、この第3章Aでは、戦争に巻き込まれる国の数以外、具体的にどのように相手の意図を見積もるかについては書かれていません。ただし、先ほどのたとえ話では子供の立場から見ているという前提と純粋に戦争というものを考えた時は戦争というものは危険なものだという第1編の結論から、どんな戦争だと見積もっても絶対的戦争を頭から消し去ってはいけないと主張されていると考えられます。

  • 1編1章5、1編6章

 

 ①になると見積もった場合、はじめの一歩を踏み出す時から、しっかりとした目標を立てて、見失ってはいけないという結論になっています。


①絶対的戦争からは遠いと見積もった場合、「戦争の結果」をどうみるのか?


 絶対的戦争から程遠い場合、ある戦いが起こったからといって直ちに報復は行われません。国民の感情は、何らかの原因で高ぶらず、それに伴って政府の政治的意図も小さいままです。または、政府の政治的意図が小さいので、国民の感情も高ぶりません。双方がこう考えているという前提です。


 こうなってくると、お互いのある出来事に対する反応は非常に鈍くなってきます。たとえ報復があっても、それは極端に言うと「忘れた頃」に行われそうです。軍事的行動は長い間停止しています。


 この場合、1つの戦闘における結果をどのように考えるか?


 この場合、「ポイント制」のようなものになるとクラウゼヴィッツは言っています。前の戦闘における結果におけるポイント、次の戦闘におけるポイント・・・それぞれは互いに何の関係も無く、「総合点」のようなものを争っていると考えていいはずです。


 緊張が弱いので、1つの戦闘がすぐに報復を呼ばず長い間固定化されるという「時間」が理解の鍵だと考えられます。


 ②になると見積もった場合、様々な利益をばらばらに求めてもよく、それ以外はその都度その都度かんがえればいいという結論になります。ただし、絶対的戦争という考えを本来危険な戦争においては忘れていいはずもなく、②の結論は、その時その時の周囲の状況にあわせ①を修正するという場合にだけ使用されるとクラウゼヴィッツは書いています。

  • 1編1章10

 

まとめ
●①・②は、濃淡のようなもので片一方だけというものではなく、混ざっている。
●①→「戦争とは何か?」という考察によって出てきた結論(理論)から演繹的に考え出した「戦争の結果」についての見方。
●②→歴史を研究することによって(経験)、得た結論

 

参照

●4編3章

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