第5部 戦闘力の最近のブログ記事

第3部第8章 数の優位 (参照)

決定的な戦闘では、相対的に優位になるようにすることが戦略の第1原則だった。

ここで考察するべき要素は以下のようなものである。

  • 各国軍隊の兵器、装備、訓練
  • 軍隊の勇気・戦意

①各国軍隊の兵器、装備、訓練

  • 現在(1800年代前半)は、どの国(ヨーロッパ)もあまり違いはない。他の要素が同じ水準だから、兵員数の比率が重要だ。(国民・軍隊との文化的水準と一致せず運次第である最高司令官の能力は例外←しかし『戦争論』では非常に重要な要素となっている。)
  • その都度・精確に兵員数を推測するような会戦では兵員数に余裕がある方が勝利する。現在では、2倍の敵に勝利するような会戦は見当たらない。


②軍隊の勇気・戦意(劣勢の程度による場合分けがなされている)

  • しかし軍全体の兵員数は最高司令官にとってはすでに与えられたものだから、劣勢でも戦争が不可能だということにはならない。
  • 著しい劣勢の場合、特殊な戦法を採用すべきだ。その場合、目標を限定し戦闘期間を短くすべきだ。目標を限定し、効果的な戦闘・慎重・自制の効果を最大限活かすべきだ。
  • それも不可能で非常に追い込まれた状態になると、絶望的な一戦に兵員の緊張は集中し、精神の優越に望みを託すことになる。極度に大胆な行動が最高の賢明さと受け取られ、思い切った詭計も採用されることになる。
  • 最終的には、名誉ある敗北をし、来るべき復活への権利を国民に残すまでのことだ。(ここまで来ると政治の領域では様々な工夫があると思われます。)
これら3つの用語はよく使用されているが、誤解のないように、さらに明確にしておきたい。厳密に定義することは出来ないが、用語の重点がどこにあるかをはっきりさせておきたい。この用語を使って計画・行動を勧告するときに役立つだろう。

1.戦域

【例】第2次世界大戦時、アメリカの戦争には太平洋戦域(PTO: Pacific Theater of Operations)、地中海戦域(MTO: Mediterranean Theater of Operations)、欧州戦域(ETO: European Theater of Operations)というようにいくつかの大きな区分があった。

全戦争が行われている空間の一部分。

それは

①境界がある
  • 要塞
  • 自然の障害
  • 他の部分とその戦域がかなり隔たっている・・・などによって。

②全戦争空間の一部ではあるものの、ある程度独立している。
  • 他の空間で生じている変化がその戦域にどのような形で影響を及ぼすか?それが直接的なものではなく、間接的であればあるほど独立した戦域として判断できるだろう。


2.軍

現実には状況によって完全に達成されているわけではないが、基本的に①同じ戦域に存在し、かつ、②司令権が統一されている(最高司令権の存在)戦闘力のこと。

一つの戦域における戦闘力は軍団・部隊(corps)には分けることができても、いくつかの軍(armies)に分けることはできない。

3.戦役

  • 西暦~年というような区分より、戦域に注目して軍事的な出来事を区分したほうがいいだろう。
  • しかし、戦域に注目した区分もかなり雑なのが現実であり、結局「~年の戦役」というようなやり方になる場合も認められなければならないだろう。

以下のような観点から戦闘力を考えていきたい。

  1. 兵員数、編成
  2. 戦闘力の状態(戦闘時以外)
  3. 補給、維持
  4. 土地・地形と戦闘力の関係(個別的なものではなく、どの状況でも見いだせるもの)

 

ここでは戦闘ではなく、戦闘時に必要な戦闘力について考えていく。戦闘力は、戦闘と密接な関係があり、互いに影響しあっているため、戦闘に関する議論の際には、頻繁に取り上げられるだろう。ただこのように両者を捉えるとしても、まず取り掛かりとしては、それぞれ特有な性質を持つ別々なものとして説明されなければならない。

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